Loading...
アイコン

World Fantasia

チャンネル登録者数 10.7万人

24万 回視聴 ・ 7104いいね ・ 2025/12/06

フランク王国西方の海沿いに、とある修道院がひっそりと運営するテラスがあった。
 旅人と商人しか知らない、静かな隠れ家のような場所。
 若きシャルルマーニュは、護衛の目を避けるようにしてそこへ歩み寄った。
 “王子”としてではなく、ただの若者として過ごせる数少ない時間だった。

 木のテラスに出ると、潮の匂いと柑橘を思わせる香りの茶がふわりと鼻をくすぐる。
 テーブルの上では、一匹の白い猫が丸くなり、海風を浴びながらまどろんでいた。
 シャルルがそっと椅子を引くと、猫は薄く片目を開けて彼を見上げる。

「また会ったな。今日も席を取っておいてくれたのか?」
 そう言って笑うと、猫はプイと顔を背けたが、尻尾だけは機嫌よく揺れていた。

 テラスの前には、大きな入り江が広がり、波が淡い光を散らしている。
 修道士が焼いた素朴なパンの温かさが、冷えた指先に沁みた。
 シャルルはひと口かじり、目を閉じる。

「……戦も、外交も、父が遺した課題も。
 いつしか全部、私が背負う日が来るのだろうな」

 海鳥の声が返事のように響く。
 白猫は立ち上がり、シャルルのカップの縁をくんと嗅ぎ、テーブルの向こうに視線を向けた。
 彼がつられてそちらを見ると、帆を張った小舟が並び、若い商人たちが笑いながら乗り込んでいくところだった。

「彼らは自由だな。
 生まれた場所にも、血筋にも縛られず……。
 羨ましいと、そう思ってしまう」

 白猫が「にゃあ」と短く鳴き、彼の外套の端を前足でちょんと触れた。

「……そうだな」
 シャルルは猫の頭をそっと撫でた。
「いつか、海の向こうの民とさえ争わずに済む帝国を築けたなら。
 この場所を、もっと多くの者が“憩いの場”として選べるような世をつくりたい」

 風が彼の髪を揺らし、陽光は海面で大きな弧を描いた。
 まるで未来という名の道を照らすかのように。

 白猫はシャルルの膝に軽やかに飛び乗り、心地よさそうに目を細めた。
 若き王子は苦笑しながらも、その温もりを受け入れた。


ご覧いただきありがとうございます。
チャンネル登録お待ちしてます♪
Thank you for listening.
Please subscribe to our channel.

個人チャンネル(Private Channel)⇨    / @ray_worldfantasia  
(10万人突破で始動します)

【Music List】
0:00 BreakTime in Flankish Kingdom
25:01 L m Ad
51:23 deF lullaby
1:16:04 Soul’s Interlude
1:41:03 Karma Born from Nothing

こちらの作品のイラスト、音楽はWorld Fantasia独自に作成したものであり、無許可での使用やオマージュは著作権侵害になりますのでご注意ください。
また、個人ビデオ等の使用は可能ですが、収益化を考えているチャンネルの使用も現在は許可しておりません。もし販売やフリーBGMとなる場合にはこちらからお知らせいたします。
This work(illustration and music) is our channel's original.
Copyrights of this work belong to our channel.

グッズ販売をしております⇩
suzuri.jp/World_Fantasia
(カレンダーが残りわずかです)

#ケルト音楽 #celtic #celticmusic #作業用BGM #勉強用BGM#ファンタジー#irish#fantasy#bgmforsleep #bgmforstudy #bgmforwork #睡眠用bgm疲労回復 #睡眠用bgm #disneymusic

コメント

コメントを取得中...

コントロール
設定

使用したサーバー: directk